
子ども食堂等にコシヒカリとレトルトを寄贈
福井県内の子ども食堂に対する新米の贈呈式が10月20日、福井市の福井県社会福祉センターで開かれました。
新米を贈ったのは産業廃棄物処理を手掛ける北陸環境サービス。今年で3回目の寄贈となりました。
北陸環境サービスの本社近くの福井市の山あいの水田で社員が手塩にかけて育てた自慢のコシヒカリ1,770キロを29団体に贈りました。
また、北陸環境サービスのグループ企業、福井クリーンシステム(本社あわら市)も趣旨に賛同し、カレーや親子丼の具などレトルト1,460食を初めて提供していただきました。



母子家庭の現状を知って
SDGs(国連の持続可能な開発目標)に基づき、豊かな環境を次世代につなげようと休耕田でのコメ作りに取り組む北陸環境サービスですが、はじまりは、2020年に遡ります。おいしい新米を子どもたちに食べてもらおうと、初めて福井県共同募金会にお持ちいただいた時の事です。
「この令和の時代に、食事に困っている子どもたちがいるなんて...」。
贈呈式に臨んだ木下高廣社長はこう感じたといいます。
当時、コメ作りは社員の負担も多く、その年限りでやめるつもりでしたが、子ども食堂の代表からの感謝の声で翻意された。
式に立ち会った社員の「ぜひ続けましょう」との声もあり、これまで以上に力を入れることにしました。
トラクターやコンバインを新たに購入し、今では子どもの貧困をなくすことが、同社の目標となっています。


待っている子ども達の姿を想像しながら
2015年に県内初の子ども食堂が発足して7年。コロナ禍に、円安など日本経済の疲弊も追い打ちをかけ、子ども食堂のニーズは年々強くなっています。
フードドライブやフードバンクの高まりで多くの寄贈を受ける福井県内の子ども食堂ですが、福井が全国に誇るコシヒカリの、それも新米をもらえる喜びは格別です。
社員のぬくもりと汗がぎっしり詰まったコシヒカリの炊き立ての味わいは最高だろうな...。式の出席者は、子どもが喜ぶ姿を想像しながら、一様に感謝の表情を浮かべました。
今回の北陸環境サービスの取組は、寄付者と寄付を受ける人との「顔の見える関係」がいかに大切であるかを、あらためて感じさせられました。
先ずは当事者の声を聞き、対話を通じてお互いの関係が太く紡がれていく過程は「じぶんの町を良くするしくみ」まさに共同募金運動ならではの取組みであると気づかされます。
これからも、この善意の助けあいの輪が広がっていくことを期待したいと思います。